2017年の最初の研究会は下記の通りで開催いたします。
開催概要
会場:プレスセンタービル9階 会見場
演題:折り紙ビジネスを展開する国際特許技術移転弁理士(仮)
講師:矢口太郎(恵泉国際特許事務所長)
矢口太郎先生は、国際的に活躍する特許技術移転専門の弁理士で、アメリカのフィラデルフィア、サンフランシスコ、東京に事務所を構えて活動しています。本業は、日米の大学・企業間の技術移転ビジネスであり、主としてアメリカで実績をあげている国際技術ライセンス専門の国際弁理士です。
一方で創作折り紙のアーティストとして日本よりアメリカで知られており、ニューヨークに折り紙スタジオを設立して人気を集めています。創作折り紙は意匠権を登録してビジネスとして成立させており、この活動によって折り紙は国際的な認知度を高め、日本の伝統文化を広げる役割を担っています。
また、縄跳びの名人としても有名で、50歳以上の全米縄跳び記録の書き換えを目指しています。
当日は、あっと驚く折り紙を実演していただきながら、本業の技術移転の話から折り紙ビジネスまで幅広いお話を伺いたいと思います。
矢口太郎先生からのメッセージ
「米国発クールジャパン! ニューヨーク・サンフランシスコの折紙スタジオ活動に見る、クールジャパン戦略の処方箋」
映画、ブロードウェイミュージカル、ファッションデザイン、有名百貨店、ブランドショップと様々な分野からの依頼が舞い込むニューヨークの折り紙スタジオ、Taro’s OrigamiStudio(タローズ折り紙スタジオ)。
この夏、来日したオバマ大統領が作った折り鶴に多くの日本人が感動したように、折り紙は、日本人にとって非常に大切な文化である。
一方で、折り紙は、海外でも、「折り紙」の語を知らない人はいないぐらい有名な日本文化である。しかし、この折り紙を使ったビジネスモデルはこれまで日本でも海外でもなかった。
実はこのような日本文化の例は、盆栽や俳句を初め、他にもある。
しかし、経済産業省が主導する現在のクールジャパン戦略は、国内産業の振興の観点が主であり、日本でビジネスや産業として成り立たっていないものは、「折り紙」のようにいかに海外で人気があろうともクールジャパン戦略には入り得ない。
このためクールジャパン戦略の対象になっているのは、一大産業であるアニメや漫画、地方の工芸品に限られているのである。しかし、アニメや漫画、工芸品は果たして日本人が世界に広めたい日本文化なのだろうか?また、海外の人がクールと思って受け入れたい日本文化なのだろうか?
今回の講演は、日本人が日本人の視点で進めるクールジャパン戦略に死角はないのかについて、アメリカで成功させた折り紙ビジネスの例を通してクールジャパン戦略の処方箋を探るものである。