お知らせ

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第51回知的財産委員会・第157回21世紀構想研究会報告

2020/07/31

第157回21世紀構想研究会並びに第51回知的財産委員会(荒井寿光委員長)のネット開催が昨日、7月30日(木)午後7時からZOOMで行われました。
 約30人の参加者があり、生越由美(東京理科大学MOT教授)先生の「日本の農産物のブランドは大丈夫か」とのタイトルで講演がありました。

 知的財産権の中に育成者権という近年重要になっている権利があり、その基本的な内容について説明がありました。特許、商標などの産業財産権と基本的には同じであり、新品種を開発した人が出願して審査を受け、認められると育成者権が付与される。世界各国共有の概念と権利であり、各国に出願して権利化しないと効力がないことなどを話しました。

 その後にかつて日本は、韓国に美味しいイチゴを盗まれてしまい、韓国産のイチゴが日本に逆流した話、日本産の美味しい2種類のイチゴをかけ合わせて、さらにおいしいイチゴを韓国で開発して、ついに日本産イチゴを「追放」したという話を例に出しながら、最近の国際的な品種改良をめぐる成功事例と失敗事例などを話しました。

 日本産の優れた農作物が海外に流出したのは、農水省によると新品種を国内で購入した農業者が自家増殖して海外に輸出しているからだとして農水省は自家増殖をすべての植物で禁止する法案を提出する動きを見せました。しかしこれには反対意見が強く出て、見送りとなった背景なども説明がありました。

 この後活発な質疑応答がありました。農水省の知的財産権に対する取り組みは、中国、韓国に比べて不十分ではないかとする意見や今後の農産物に対する知財強化などの意見が出ました。
 新品種の国内出願数の減少、海外での品種登録の停滞なども指摘されており、海外から入ってくる日本原種の農産物を税関で取り締まりの強化なども出ており、遅ればせながら日本の農産物の国際的な権利強化の重要性が理解できました。

21世紀構想研究会事務局