お知らせ

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第112回21世紀構想研究会の報告

2014/09/22

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 第112回・21世紀構想研究会は、9月17日に開催され、科学技術振興機構(JST)特別顧問、日本・アジア青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンスプラン)推進室長の沖村憲樹氏が「アジアからなぜ2600人の青少年を招へいするのか」とのタイトルで、さくらサイエンスプランの事業について講演した。

 講演後に活発な議論が行われ盛会だった。

 沖村さんは、JSTの理事長時代から中国に関心もち、将来は中国が世界の大国へと成長することを予想し、JSTに中国総合研究センターを創設した。そして中国の科学技術の文献データベースを構築し、中国との学術交流を始めた。   

 小泉政権以降の日中の友好関係は必ずしも良好ではなく、日中両国の国民が相手国への印象をよく思っていないことが、各種の世論調査でも出ている。たとえば、最近のNHKの世論調査でも日本人(93.0%)、中国人(86.8%)ともに9割前後が「(相手国に)よくない印象をもっている」との結果が出ている。   

 こうした結果から、両国の特に若い世代が直接顔を合わせて交流する機会を作るべきとの考えを持つようになった。交流には国同士というのではなく、民間交流、草の根交流であるべきとの考えから、政府機関はこの交流を支援する立場で行うことにした。  

 また、当初は中国だけに特化した交流にしたかったが、下村文部科学大臣らの助言・指導もあり東アジア14カ国・地域の青年を招へいするプランに切り替え、名称をさくらサイエンスプランと付けた。   

 さくらサイエンスプラン事業は、大学や企業からの公募を採択する①公募計画コースと、JSTがすべて企画・実施する②高校生特別コースを実施している。高校生特別コースはすでに8か国の高校生281人の招へいが終了した。これらの高校生は例外なく感謝し、日本の科学技術の先端研究を評価し、将来は日本へ留学したいとの希望を持って帰国していった。  

 公募計画コースは、全国の大学・研究機関で現在進行中であり、アジア各国の大学生らが日本の大学、研究機関、企業などを訪問してセミナー、見学、実習、研修に取り組んでいる。 

 
これからの交流方法を提案する藤島昭・東京理科大学長

 

 沖村さんは、このような経過を説明しながら、さくらサイエンスプランが具体的に活動しているようすを説明した。 

  活動の交流は、次の2つのサイトから見られる。  

さくらサイエンスプラン公式HP=http://ssp.jst.go.jp/index.html   

さくらサイエンスプラン応援サイト=https://www.facebook.com/sspjapan 

 沖村さんの講演後、フロアとの活発な討論が行われ、多くの出席者がこのプランの成功を喜び、今後ももっと充実したプランへと広げていくことなど前向きなコメントが次々と寄せられた。