お知らせ

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メタンハイドレート実用化委員会報告

2014/01/30

東京都知事選で各候補者たちは、脱原発かどうかなどエネルギー政策をめぐって激しい論戦を展開しているが、21世紀構想研究会のメタンハイドレート 実用化委員会(委員長・平朝彦・独立行政法人海洋研究開発機構=JAMSTEC理事長)が、1月29日にプレスセンターで開催され、活発な論議が展開され た。

まず冒頭の挨拶に立った平委員長は、メタンハイドレート研究についての現在の国の取り組みの概略を説明し、今後、この委員会でも活発に論議していくべきとする抱負を語った。

続いてJAMSTECの木川栄一海底資源研究プロジェクトリーダーが、メタンハイドレートの基礎的な知識から現在の研究開発に対する国の取り組み、さら にJAMSTECの最先の研究を分かりやすい写真や図を示して解説した。日本は研究レベルで世界の先端を行っていることにも言及し、新たなエネルギー源と して期待されているものの、過去のエネルギー開発の歴史を示しながら、実用化までには相当の歳月を要するのではないかとする見解も語った。

続いてメタンハイドレート実用化への技術開発について株式会社みかづき代表取締役社長の杉本昭寿氏が講演した。杉本氏は、海底で採取するメタンハイド レートのシステム設計を開発して特許を取得している。今回はその特許技術に基づいた採掘現場の実際をイメージするアニメーション絵を披露し、凍結している メタンハイドレートを効率よく採集する技術を語った。

このあと会場との討論となった。21世紀構想研究会理事長の馬場錬成氏は、「個人の見解だが」と断りながら、「大震災後に原発事故被災で深刻な事態を体 験した日本は、いまこそ新エネルギー源としてメタンハイドレートを実用化するべきだ。国家として取り組むテーマであるが、既成の原発・電力企業の消極的反 対にあって新エネルギー開発が滞っている。これを乗り越えていかなければ、日本の将来のエネルギー政策は行き詰まる」と述べた。

また、メタンハイドレートの研究開発と商業的実用化への取り組みが、省庁別になっていたり研究現場で別れていることは非効率的だとの意見も出され、これからは国家が一本化したプロジェクトとして取り組むべきとする意見も強く出された。 20140129_201236 (550x309)